妊娠中に子供のDNA(父親とは呼ばない。)と別れたため、当時、今後の子供の養育について考えました。
養育費は子供の権利です
妊娠中期に裁判所に行ったり、弁護士さんに相談しました。
養育費とは
養育費は子どもの生活、教育にかかる費用を親が分担するものです。
離婚などでひとり親になった場合でも「子供には親と同等の生活」が保障されなくてはなりません。
離れたほうの親にも養育費を支払う義務が生じます。
養育費未払い大国、日本。
養育費を「もらっている」という表現は避けたいと思います。
子供の権利なので、「子供が生活したり、教育を受けるために必要な費用」は、親から「もらう」プレゼントや施し(ほどこし)ではありません。
養育者が一方から恵んでもらうものでもありません。
役所の窓口に、家庭裁判所の書類コーナーにも「養育費は子供の権利です」というリーフレットが置いてありました。
この考え方。なんだか一般に浸透していないなあと感じます。
私も妊婦期間中に考えるまで知りませんでした。
「お金に困っている人が助けてもらうのだろう」という誤った認識を持っていました。
あのリーフレット、未婚や離婚に関係なく、子供のいる人いない人。全員に配布するといいんじゃないかなー。と思います。
平成28年の厚生労働省の調査では、母子家庭で養育費の支払いを受けているのは24.3%という回答だったそうです。
これは先進国では著しく低い数字とのこと。
あっ、日本はもう先進国じゃないんだったけど、
→NHKニュースweb 養育費不払い 日本は“ひどい”国なの?
この記事によると世界では「給与から天引きされる国もある」とか、アメリカでは宅配ピザにも「養育費払え!(ピザ食ってる場合じゃねえぞ!)」と紙が貼られてくる!?とか、
もうウソだか本当だかすごい話が書いてあります。
そこまでいくとちょっと愉快かなとすら思いますが、当事者にしたらシビアな問題かもしれません。
最初の取り決めが大事
子供がいる状態で離婚する時にはお金についても話し合うと思います。
養育費の取り決めがある場合は、支払われていない養育費を相手に請求できます。
養育費を決める時は契約書の作成が必要です。
契約書がないと請求が難しくなることがあるようです。
養育費の金額は、算定表があって、当人同士の所得や子供の人数、年齢で計算されます。
増税の影響もあり、最近この算定表が更新されたそうですね。
相場が上がったらしいです。
契約があれば未払いの請求ができます。ただし時効あり。
養育費の取り決めをした分が払われない時は請求が出来ますが、
支払期限から5年で時効となり、消滅してしまいます。
選択的シングルマザーの場合の養育費
ここまでは離婚家庭の取り決め方ですが、それではそもそも婚姻関係がない場合の養育費はどうなるのでしょうか。
婚姻関係がなくても、子供の父親が「自分の子である」と認める=認知の手続きをして、養育費について決めることで支払いを義務化することができます。
ポイントは以下です。
- 請求の前に認知が必要。
- 認知がされていることと、養育費を払うことはイコールではない。養育費についての取り決めが必要
- 取り決めがあれば未払い分を請求できる。ただし支払い期限後5年で時効になる
認知については書いていたら長くなったので、別エントリーにしました。
→
テレビに出ている方々で、奥様以外の女性が子供を産んだ際に「認知はしています!」というコメントを聞いたことがありますが、
役所に紙を出せばよいので、認知は、誠意でもなんでもないかなあと私は思っています。
大事なのは、養育費が払われているかどうかです。
お金が誠意とはいいませんが、少なくとも生活が出来ます。
選択的シングルマザーは、そもそも選択している時点で産む側の女性(お母さん)が自立していることが前提とされて、
「もらう必要がないだろう」と言われがちです。
必要があるかないかは他人が口出すことじゃないんですが。
実際。私も「勝手に産んでおいて、金だけ要求したら訴えられるんじゃないか」と身内に言われました。
勝手に産んだのか…まあそうかもしれないけど。
選択的シングルマザーの方で、「養育費は、もらってません。
要らない、と言いました。」
と公言されている方もいらっしゃいます。
しかし。
しつこいようですが、養育費は子供の権利、受け取る権利は子供にあります。
要るか、要らないかは本当は子供が決めるべきことなのですが、赤子にそんなことは決められないため、親が代理で手続きをしています。
その時点での親が、お金を要るとか要らないではなく、子供が成長して働けるようになるまで、本当に食べたり教育を受けたりできるのかをよく考えて決めるもの。
私もここは悩みました。
ぴのこのDNA(父親とは呼びません。)とは、妊娠中に別れて、連絡を絶っています。
関わりたくはないけれど、関わりたくない。というのはただの私の感情です。
「養育費は、要りません」というのは、私の感情であり、ぴのこの人生にとってどうか?は、また別問題。
「養育費いりません、私1人で育てます」というのが、かっこいい、偉いみたいにとらえられるのは精神論みたいだし、
「自己責任だから自分で稼げ」っていうのも根性論で、子供のためという視点が抜けているように思います。
「養育費はいらない、子供を望んだのは私なのだから、一生懸命育てていく!」とか言うのは、まあ「そのぐらいの決心」というなら別にいいと思うのですが、言うたらそんなの、ただの意地。
一生懸命なのはわかったんで、必要なおは計算しましょう。
子供の暮らしにも、教育にも。お金は必要です。
「私の稼ぎで食べてはいける」のですが、人間は教育を受けたり、健康で文化的な生活をする生き物。
食べているだけでは野生動物と変わりません。
根性論と精神論でお金は湧いてきません。
公的な援助を最初からあてにしようというのも甘いです。
ひとり親支援である「児童扶養手当」は年収200〜300万円程度のラインで所得制限があります。
このあたりは「全部支給」から「一部支給」まで差があるので、
「年収○○○円以下なら、○万円支給される」と簡単にいえないシステムなのですが、
支給対象に該当したとしても、年収300万円に満たないひとり親に月に1万2万支給されたところで子供の教育には全然足りません。
自分が働くのはもちろんですが、支払う義務のある人がまず払う。という自助努力は必要です。
こんな貧乏な国:日本で、税金の使い道は切実。
「自分が頑張ればいいから」と無理をして、労働収入しかない親が長時間重労働をした結果、身体を壊したり、早く死んでしまっては、子供も不幸になり、結局はまわりの人たちにも負担を強いることになる。
弁護士さんに相談しました。
私1人では答えを出せなかったので、弁護士さんに相談しました。
素人は感情論になりがちなので、専門家のアドバイスを聞きたいと思いました。
餅は餅屋。
[blogcard url=”https://necopinoko.com/2019/11/13/lawyer/”]
無料相談会を利用しました。
専門家といっても、弁護士さんなんてどう相談に行ったらよいのだろう。
と思っていたところに、区の広報誌で
「弁護士無料相談会」というお知らせを見つけ、予約しました。
悩みポイントは整理しておく
専門家に相談できるといっても、短い時間なので、質問したい内容をまとめておきましょう。
私は「未婚で産んだ場合の養育費は請求すべきか。」に絞って、ノートに書いていきました。
今思うと自分の中で答えはだいたい決まっていて、「必要かどうか」なんて他人の知ったことではないのですが、「専門家の意見を聞きたい」というのが主な目的なので、とにかく行ってみました。
弁護士さんに相談するメリット
実際の相談については別エントリーをどうぞ。
弁護士さんのよいところは、ケース1ならこの対応、ケース2ならこの対応、という実際のケーススタディーをいくつも示してくれるところです。
「では何をするか」という建設的な話ができます。
周りの一般人に相談しても「お金はもらうべき」とか「普通は払うよね」とか「みっともないからやめておけ」とか、だいたい感情論しか出てこないので、素人に話すのはやめたほうが正解。時間の無駄です。
話してもまあ、いいのですが、あんまり答えは出ないんじゃないかと思います。
いつごろ、何を決めたか
私の場合は、「この養育費問題は出産前に方向を決めておこう」と思ったので、妊娠中期(25週くらいの時期)に行動しました。
セカンドオピニオンという感じで、無料の弁護士さん相談会には2回行きました。
そこで出した答えは
- 認知を取る努力はする。
- 養育費は取り決めない。
でした。
これだけ書いといて養育費、決めないんかい。という感じですが、決して「要らない」とつっぱねるわけではありません。
そりゃあお金は必要ですから、払って欲しい。
しかしDNA :山田(仮名)は当時37歳で「貯金がない」と言っていたので、
と思いました。
私の腹が据わったのには、弁護士さんに背中を押してもらえたところもあったと思います。
要らない、のではなく、「できるところまで1人でやってみようかな」ぐらいの感覚で決めました。
固い決意という感じでもなかったです。
そして10年、今のところ養育費は1円もなく、現在に至ります。
これは意地でもプライドでもなんでもなく、単に交渉から逃げて、「やってみたらなんとかなった」だけです。
ぴのこが生まれてみたら、成長とか、その輝きがすばらしすぎて、
ってなった、というのも大きいです。
ドバイの富豪だって、ぴのこと暮らすことはできないのです。
私はこの宇宙一豊かだといえる。なぜドバイ。
たかだか月数万やそこらのお金のために、ガタガタ言われんのバカらしいな。と思えました。
闘って消耗するようなことではないなあという感じです。
いや、月数万ってでかいけど。欲しいけど。
しつこいですが、お金はいつでも受け付けています。
弁護士さんのお言葉
「決めたら決めたで、未払いがあると請求したり、相手にも権利が出来ますから。
子供との面会を求められたり、大変なこともありますよ。
きっぱり断ち切って生きていくというのも、人生の選択肢ですよ。」
この答えは、私の中では決まっていたように思いますが、専門家のジャッジで「まあ、そうかな」と決められた感じでした。
私がもし将来今より働けなくなったり、景気、進路の事情などで、どうしてもお金が必要になった時に養育費を請求できる道を残しておくために、認知は相手(DNA)に頼んでみることにしました。
内容証明で一度書類を送っただけです。
それだけの行動もなかなかできずにしんどかったです。疲れることはしたくない。
うちの場合は結果的には認知はされた状態にあります。
でも、それだけ。認知そのものにメリットはありません。
認知されてたのも、やっぱり山田(仮名)から連絡なんてないし、調べもしなかったので「あ、戸籍に山田(仮名)って載ってる・・・!認知したんだ!」と何年も経ってから知りました。
そんな感じなので養育費はぴのこが生まれてこのかた、0円ですが、なんとかなってます。今のところ。
まとめ
養育費は子供の権利です。
繰り返しますが養育費を受け取る権利は子供にあります。
感情や意地で決めず、必要な額を計算して、事務的に決めましょう。
要る、要らないではない
養育費について、結局取り決めなかった私が書いても説得力がありませんが、私自身も「必要ない」とはまったく、思っていません。
「私が関わりたくないから」というのが理由だったので、そこは悩みましたが、「まずは私の収入だけで、できるところまでやってみよう」が10年間続いている状態、というのが現在です。
払える力のある人は、必ず払いましょう。子供が育っていくために必要な役目から逃げても、幸せになんか生きられないと思います。
本音をいうと、ぴのこのDNA(父親とは呼ばない):山田(仮名)が、自分で何かを感じて、ぴのこのために貯金をしていて、ぴのこの進学や成人のタイミングでどーん!とお金を送ってくれたりしないかな。私じゃなくて、ぴのこに。
というのが私の理想ですが、
山田(仮名)はぴのこが1歳過ぎた頃にご結婚されたと風のたよりに聞いたので、顔も見てない子供のためのお金なんて貯めちゃいないだろうな~と思っています。
パートナー婚(未入籍)なら助け合いもよし
私の場合は、子供が生まれてから相手(子供のDNA)とは1度も会っていないので、「取り決めをせずそのまま」のケースですが、世の中のひとり親さんには様々なケースがあると思います。
離婚でも、未婚で選択的でもそうでなくても、子育てはだいたい同じ。お金がかかるのも同じです。
子供の両親同士が籍は別でも、時々会うのもよし、一緒に暮らすもよし、助け合って養育費を出すというのは平和でいいと思います。
子供のために働いて、出し合う。共働き世帯と一緒です。
うちの場合は嫌になって別れはしましたが、別籍別居で時々会う、みたいな関係でも良かったのかなあと、
後になって思ったりもしました。
しかしDNA山田(仮名)がいわゆる日本的な結婚を望んでいたので、自由にしてあげたともいえます。←上から
今は、ぴのこをありがとう。としか思いません。
最後にもう一度。養育費は子供のものです。
払える限り、頑張って払いましょう。
山田(仮名)、ここ読んでないと思うけど、もし読んだら頑張って貯金してな。
おしまい。