『能』を体験しました。さわってみよう能の世界

能
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夏休み、珍しいイベントに参加しました。

五人囃子の世界でした。楽しかったです。

目次

『能』を体験しました。さわってみよう能の世界

学校からチラシがきました

6月のはじめに、学校からの配布物にこんなチラシが混ざってきました。

さわってみよう、能の世界

「さわってみよう能の世界」

Neco
Neco
無料…!!

私もぴのこも大好きな、無料!
タダですって!奥さん!

学校からはこの手のチラシがたくさん来るので、もはや目を通すのも面倒なほど子供のイベントが大量すぎる昨今。

どれも面白そうだし、子供にはそりゃあいろんな体験もさせたいけど、働く母さん、そんなに仕事休んで出かけてばかりもいられません。
開催場所が遠かったり、お金のかかるイベントはパスするのですが、

無料。(しつこい)

Neco
Neco
いいじゃないですか…!

8月後半…だいぶ先だけど、夏季休暇が取れる期間だし、この時期仕事は割と閑散期。
まだ全然遊ぶ予定決まってないし、(お金ないし)夏休みの1日はこれでいいかも。

メールで応募しました

さっそくチラシに掲載の連絡先にメールを送りました。
必要な応募情報を記入して送るだけ。

抽選ではなく「先着」と書いてあるので、早い方が良さそうです。

返信が来ました

送信してから3日ほどで、「ハガキをお送りしますので当日お持ちください」
というメールが来ました。
早い。これって参加可能ということ?

ハガキが来ました

メールを受け取って1ヶ月ほど経ち、夏休みに入った頃にハガキが来ました。

正確には、子供向けの能の公演のパンフレットと一緒に、封書に入ってハガキが届きました。

差出人は、能楽協会。

ふだんこんなお便りをもらうことがないので、なんだか新鮮です。

さわってみよう、能の世界 ハガキ

ハガキには当日の組分けと、番号が書いてありました。なんだろう組って。

持ち物

用意するものに「白足袋」とあり、「お持ちでなければ貸出します」と書いてあったので、持って行かなかったのですが、当日はほとんどのお子さんが借りていて、子供用のサイズ(20cm前後)はありませんでした。

結局、18cmのぴのこが23cmの足袋を借りたので、私の足袋を持っていってもよかったな…と思いました。
念のためおうちの方のものを持っていってもよいかもしれません。
この日のためだけに足袋を買うのももったいないのですが、お祭りや普段ばき?で足袋ソックス(ゴム口のやつ)1足ぐらい持っててもいいな〜というご家庭でしたら、用意してもよいと思います。

暑い季節なので、飲み物と、終了後にアンケートの記入もあったので筆記用具を忘れずに。

余談ですが、能楽堂に行くよ〜と実家で話してたら、母は「まあ〜いいわね〜萬斎さんとか!?」言うてましたが、いや、そんな有名な人は来ないよね無料だし…。

当日。国立能楽堂へ。

初めて行く場所です。

ぴのこに「どこ行くの?何するの?」
と聞かれても、「にほんごであそぼ」に出てくる、そろりそろりみたいなやつだよ。
…ぐらいしか説明できず、ぴのこもファー?ってなっているので、前日にグーグルストリートビューで建物の外観をぐるぐる見て、結局それでもよくわからないので、ぴのこは微妙〜な感じで出かけました。

ちっちゃい頃はどこに何をしに出かけても、「やりたい!」「行きたい!」だったのに、最近は「暑い中出かけたくない。家でユーチューブ見ていたい」というぐうたらぶり…。

小学生ってこんなもんでしょうか?

まあほんと、暑いしな…。

歌舞伎座と演舞場なら何度も行ってるんだけど。

子供向けのイベントなので、千駄ヶ谷駅を降りるとほかにも親子連れの方々が数組。道なりに歩くとすぐ、わかりました。

国立能楽堂

あら、なんかおごそかな感じ。
お庭の松の木が美しい。クールジャパン。
お寺や神社を訪れた時のような、ここちよさがあります。
能は神様に捧げるというので、もしかしたら何かの神様がここにもいるのかもしれません。

能楽堂に行く正面ではなく、左手の入り口から中へ。こちらがお稽古場のようです。

国立能楽堂お稽古場

入り口でハガキを見せて、組分けのシールをもらい、足袋を借りて中へ。
前述の通り、足袋はソックスを用意しても良さそうです。
テキストブックもいただきました。A4サイズの冊子です。

受付から案内まで、すでにスタッフの方、というより能楽協会に所属される方々は紋付きに袴を着用されているので、きちんと感が半端ない。
暑い中お疲れ様です…
これがTシャツ姿だったりすると空気が全然変わってしまうので、服装だいじ

さすがの美声

組分けは後で楽器を体験する時のチームで、はじめの説明と最後の能楽鑑賞は全員合同です。
同じ小学校の子たちは同じ組でした。単に申し込み順だと思います

はじめに「能とは?」→継承されているものでは世界最古の仮面劇である、などのお話を聞きました。
説明される方、さすがにお声がよく通ります。お腹から出ているというか。
能の台詞をハイご一緒に!みたいな感じで、子供たちのほとんどは恥ずかしがっていましたが、ここは声を張っていきましょう。

学校では授業中一度も手を挙げられないぴのこは、終始もごもごしていました。

楽器の体験

ひととおりレクチャーを受けてから、いよいよ楽器の体験です。
部屋は太鼓以外は分かれず、ほとんど同じ場所でいっせいに鼓やら笛やらを鳴らし始めるのではじめは耳が混乱して説明が聞き取れませんが、じょじょに慣れました。

国立能楽堂のお稽古場の舞台で舞います。

本物の楽器なので(そりゃそうですが)触るのにもちょっとした緊張感が走ります。

笛

軽いレクチャーの後、すぐ体験なので、なかなか音が出ません。特に笛。
それもまたよし。

小鼓

1番いい音が出たのは太鼓でしょうか。

太鼓

「謡(うたい)」は、正座した姿勢で、声を張るのでまた緊張。読み方は難しいし…
でもこれ、きれいな舞台で、シーンとした空気の中で、あの静寂を破って声が通せたらさぞ気持ちいいでしょうなあ(´∀`

謡(うたい)の体験

最後は装束着付けと舞台の鑑賞

90分ほどでローテーションも終了し、いよいよ最後は能の鑑賞です。

説明のある中、舞台うしろの小さい戸口から、襦袢みたいな姿の役者さんが入ってきました。
「あそこ入り口なんだ!」とぴのこはびっくり。
大人は腰を屈めてくぐらないと通れません。

Neco
Neco
お茶室みたい。

装束(衣装)は、金色に輝いていてきれいでした。前と後ろで羽織をかけたり、袴を締めたり、静かに出来上がっていく姿は何かが降りてきているよう

面をつけるとさらに憑依感が高まります

あれ、苦しくないのかなー?といらん疑問も持ちつつも、なんかかっこいい。

神、

Neco
Neco
キタ(゚∀゚)!!

みたいな感じです。
さっきまでいた人間が、もう違う神とか鬼とかになってます。

着付けが済んだら、観劇に入るので、撮影禁止です。

この日の演目は、「舎利」でした。
全部やると長いので、半分くらいってことで、「半能」というそうです。

シャリといっても

Neco
Neco
ごはん?

じゃ、ありません。

宝のことです。仏舎利。

仏舎利を鬼が奪い、足の速い神・韋駄天が追い、取り戻すというもの。
すごく、わかりやすいです。

能の舞台は「無」から始まります。

檜舞台の背景に、大きな松が描いてあるだけ。

緞帳(どんちょう)、幕がないので、
演者も奏者も誰もいない状態で開演します。
そこにスッと謡とお囃子の人たちがやって来る。
なんだかその形がおもしろくて、私は気に入りました(´∀`

演者の方が出てくると、最初の台詞は
「我は旅の僧である〜」
みたいに(うろ覚えですみません)まず、名を名乗ってくれるので、細かいところが聞き取れなくても「ほう、お坊さんね。」とスッと入ってきます。
歌舞伎もそうですが、あらすじと主要な登場人物を少し予習しておけば、人物はそんなに多くなくストーリーもわかりやすいです。
(昼夜通しなどの長編の演目を除く。)

劇中、さっき体験した鳴り物(楽器)が効果的に演出します。鬼が出ると雷(いかづち)のように激しく、最後の神の舞では優雅に。あら、なんだかすてき。

子供たちも、さっき触ったばかりの楽器なので、身近に感じられて集中力が高まるようです。

男に鬼が憑依?し、仏舎利を奪い、韋駄天が追いかける。
無事奪還して、めでたし、めでたし。
というお話でとてもわかりやすく、子供たちもギリギリ飽きずに鑑賞できました。ほっ。

舞台上は、お話が終わって、演者が引くと、楽器の人たちもきれいに片付けて去っていきます。
残されたのは何もないまっさらな舞台だけ。

これってミニマリストの方が観てもすごく気に入るんじゃないかしら
今、私もあちこち片付けているので、すがすがしくてとてもいい気分になりました。て、そっち・・・。
演技に必要なものは持ってくる。終わったら持って帰る。なんかすごく、

Neco
Neco
いい!

一番気に入ったところはここかもしれません。

終了後はかんたんなアンケートを提出し、足袋を返して、さようなら。

千駄木駅、初めて降りたような。
学校の友達が参加していたのだ、帰りは沿線の水道橋で降り、東京ドームシティーで遊んで帰りました。夏休みねえ…。

東京ドームシティー

まとめ

能の世界、知らないことだらけ。

たくさん学びました。
これまで歌舞伎を観てきて、歌舞伎のほうが新しいので、能や狂言をもとにした演目もたくさんありますが、そういえば能楽についてのお作法は知りませんでした。
能をもっと理解することで、歌舞伎もさらに楽しめそうです。

本物に触れる

ぴのこの習い事の先生が、よく「小さい時から、本物を」と言うのですが、私はその方針が好きで、何かを選ぶ時に意識します。
世の中にはおもしろいもの、すてきなものがたくさんあって、何が本物で何がにせものなのか?
実際はにせもの、似たようなもので間に合わせて賢く楽しむことも多く、それはそれで悪いことではないけれど、
「神様が降りてくるところだから」ときれいに保つ、気持ちを落ち着かせて心を込めて臨む、という伝統文化の世界は、緊張感があってなかなかよかったです。

楽器もひとつひとつが、丁寧な手仕事で作られたもの。きっと高価なものでもあるのでしょうが、
ひな壇やテレビの世界でしか見たことのなかった鳴り物に実際に触れることができて、ぴのこも楽しかったようです。

まだ「ほんのちょっとかじっただけ」の能の世界、今後実際に舞台を観劇したりして、深めていきたいと思いました。

そして。
これから、我が家ではハーシーのキスチョコを「仏舎利」と呼ぼうと思います。

仏舎利

似てるんだ。形が。

能

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